コラム

最先端の豊胸術に見た! 乳房再建に希望

乳房再建の現状

アンジェリーナ・ジョリーが乳がん予防のために乳房切除を行ったニュースは記憶に新しいことと思います。その後、彼女は人工乳腺でバストの膨らみを取り戻しました。つまり、シリコンバッグです。これは珍しいことではなく、千葉ドクターが10年間勤務されていた神奈川県立がんセンターでも、乳房再建にはエキスパンダーという器具を使って皮膚を拡張した後、シリコンバッグに入れ替えていたと言います。厳密に言えば、脂肪注入による乳房再建を行っている病院もありますが、少数派。なぜなら、脂肪はあまり定着しないため再建効果が得られないと考えられているからです。それでなくとも、乳がん摘出後は放射線治療の影響や、ほとんどのケースで乳頭や皮膚も切除しているため皮膚の伸びが悪くなっており、圧力に弱い脂肪には酷な環境なのです。
しかし、シリコンバッグももちろん完璧ではありません。触感の違和感や、人工物ゆえのトラブルに対する危惧もあります。それでもシリコンバッグだけしか選べないのが現状……。しかし近年、そこに一筋の希望が! それが良質な脂肪だけを集めたコンデンスリッチファット(CRF)だと大橋ドクターは話します。

ケースバイケースが可能な新技術の引き出し

ケースバイケースが可能な新技術の引き出し

THE CLINICが定期的に開催する他院向け技術セミナー。このセミナーには美容外科医だけでなく、総合病院や大学病院、国立がんセンターといった専門の機関のドクターも参加しています。そこで指導医を担当している大橋ドクターですが、コンデンスリッチファット(CRF)の可能性については、そういったドクターの関心も高いように感じられると言います。もちろんエキスパンダーでまず皮膚を伸ばす必要はありますが、定着率の高いCRFなら、その後ボリュームの確保や、なにより元のバストに限りなく近い柔らかさが望めるので自然に仕上がります。そう言える自信が、これまでTHE CLINICで行ってきた2000例を超えるコンデンスリッチ豊胸の症例にはあるため、エキスパンダー×CRFが近い未来、乳房再建の主流となる、そうなって欲しいと切に感じているそうです。
さらに、現在ではBRAVA(ブラバ)という器具も新しく改良されて再び注目を集めています。こちらは陰圧をかけることのできるカップを胸に装着するというもので、皮膚を伸展、血流も良くなるため脂肪の定着を助けます。大橋ドクターの話では、乳がん摘出後は皮膚が薄くなり過ぎて、皮膚壊死のリスクからエキスパンダーが挿入できないケースもあるとのこと。その場合、ブラバを先に使用することが有効なのだそうです。

新しい技術だからこその壁

新しい技術だからこその壁

ただし、コンデンスリッチファット(CRF)を扱うには数多くの症例を経験する必要があるため、普及にはもう少し時間が必要だろうと大橋ドクター。また、がん治療を行う病院では、経験の少ない脂肪吸引の技術が必要となることも一つの障壁なのではないかと話していました。美しいバストのための手術なのですから、当然、脂肪吸引もキレイに仕上げないと意味がありませんから。だからこそ、セミナーでの技術指導はもちろん、大学病院や総合病院からの手術委託にも積極的に対応するなど、乳房再建という分野でもリーダー的な役割を果たして行きたいと、頼もしい抱負も語ってくれました。
ドクターがここまで良いと思える治療法、早く多くの人が受けられるようになるといいですね。

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