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脂肪注入豊胸の成功のカギは“2.4mm”!? 定着の新見解とは?

脂肪注入による豊胸手術では、定着率が気になるところですが、その詳細が研究論文で明らかに。重要なのは”2.4mm”でした。これはいったい何を指しているのでしょうか。

注入した脂肪そのものではバストアップしない!?

豊胸手術ではもはや常識になりつつある脂肪注入ですが、ボリュームとなっているのが注入した脂肪だと思っている人も多いのではないでしょうか。事実、10年ほど前は美容外科医や形成外科医すら、注入した脂肪が生きたままボリュームとして残る、つまり“生着”すると考えていました。しかし、その見解は半分正解で、半分は間違いだったのです。

脂肪注入豊胸の考え方は“生着”から“定着”へ

その事実を明らかにしたのが、今から7年程前に発表された、東京大学医学部(当時/現自治医科大学)吉村浩太郎先生の研究論文でした。世界でも有名な脂肪研究の権威である吉村先生によれば、バストに注入した脂肪の一部は壊死し、貧食細胞と呼ばれるマクロファージに分解されます。その信号を受けて脂肪幹細胞が分化し、脂肪細胞が再生。これが、“生着”という表現から“定着”(しっかり着いて離れないこと:生きたままとは言っていない)へと変わった所以です。
ただし、壊死した脂肪すべてが脂肪幹細胞によって再生され、豊胸効果をもたらすわけではありません。壊死した部分が10mm以上だと、分解されずにしこりとして残ってしまいます。ここまでは4年前のコラム「脂肪定着のメカニズムの新見解とは?」でも解説している内容ですが近年、さらに詳細なメカニズムが明らかになったのです。

豊胸のために脂肪を最大限活用できる

豊胸のために脂肪を最大限活用できる

脂肪注入豊胸におけるその最新の見解が打ち出されたのは、またしても吉村浩太郎先生の論文。その内容については右の図をご覧ください。まず、生着という表現が半分正解で半分間違いと冒頭で説明したのは、すべてが一度壊死するわけではないからです。ただ、生着するのは表層からわずか0.3mmまでの脂肪。この範囲は血流から栄養を十分に得られるため、注入された脂肪が生き残ることも可能なのです。
では再生ゾーンはどのくらいかというと、こちらは表層から1.2mmまでとの発表。つまり、直径2.4mm以上の塊で注入すると、中心部は壊死ししてしまい、バストにはしこりができてしまいます。

直径10mmの注入でも40%以上の脂肪がロス!?

直径10mmの注入でも40%以上の脂肪がロス!?

実際にどのくらいの脂肪が壊死すると予想されるのか、具体的に数字で見てみましょう。例えば、直径5mmで注入した場合、壊死してしまう脂肪はそのうちの14%直径10mmの場合は、なんと43.8%という計算になります。
前述のしこりのできるメカニズムを考えると、10mm以下なら壊死した脂肪が再生することはなくとも、分解・吸収されるためしこりはできないでしょう。ただし、その分はボリュームにならないため、脂肪がムダになっていると言えます。その点、2.4mmで注入すればロスする脂肪はもちろん0%。採取した貴重な脂肪を最大限、豊胸へと活用することができるのです。

理解だけでは実現できない最高難度の豊胸技術

THE CLINICで標準的に行っている注入方法でもしこりができることはまずありませんが、以上のことを踏まえると、少量の脂肪しか確保できない痩せ型の方などには2.4mmで注入する方法がおすすめです。
ただ実際の大きさをイメージしていただくと、人が感覚だけで注入するにはいかに高度な技術が必要か、容易に想像できるかと思います。そう、この定着のメカニズムは理解すればできるという手技ではありません。どう注入すれば2.4mmを実現できるかの研究と、それを実行するための術前準備や技術があってこそのサイズなのです。

コラムのポイント

  • 注入した脂肪がそのままボリュームとして残るのはごくわずか
  • ほとんどの脂肪は一度壊死して、脂肪幹細胞によって再生する
  • 直径2.4mm以上で注入すると、壊死した脂肪がしこりとして残る